世界各国の宗教指導者が平和を呼びかけ、二国家解決を支持


「紛争解決における宗教指導者の役割」をテーマとした第2回国際宗教指導者サミット (International Summit of Religious Leaders) が、クアラルンプールにて2025年8月28日に閉幕した。マレーシア首相府とムスリム世界連盟 (Muslim World League, MWL) が主催した同サミットには世界各国から400名の宗教指導者が集結した。

参加者はガザにおける戦争と飢餓を強く非難し、世界各国の政府や宗教指導者に対し、危機を停止させるための即時の措置を講じ、イスラエル占領当局に対し、国際法を遵守し、パレスチナ国民の正当な権利を保障し、関連する国際決議に従って独立国家を樹立するよう強く求めた。

同サミットでは、サウジアラビアとフランスがニューヨークの国連で主催した、パレスチナ問題の平和的解決および二国家解決の実現のためのハイレベル国際会議の最終的文書への支持が再確認された。 宗教指導者は、この文書への支持を集めるため、自らの精神的・社会的影響力を行使することを誓約した。

開会の辞において、アンワル・イブラヒム・マレーシア首相 (H.E. Dato' Seri Anwar Ibrahim, Prime Minister of Malaysia) は、ガザ危機により、国際社会の正義と人道へのコミットメントの深刻な喪失が露呈したと強調した。 同首相は、あらゆる宗教が慈悲と共存の促進を呼びかけていると主張し、「文明の衝突」理論の危険性に対して警告した。

一方、ムスリム世界連盟事務総長 (Secretary-General of the Muslim World League) であるムハンマド・ビン・アブドゥルカリーム・アルイーサ博士 (H.E. Sheikh. Dr. Mohammed bin Abdulkarim Al-Issa) は、同サミットが現代史における異例の時期に開催されることに触れ、平和は単なる選択肢ではなく、人類の生存と国連憲章の信頼性にとって不可欠な要素であると強調した。 その上で、宗教指導者が社会の良心を形成し、普遍的な人間の価値を推進する上で果たす極めて重要な役割を強調した。

同博士はさらに、次の2つのイニシアチブを発表した。すなわち、宗教指導者の精神的・道徳的役割の強化および宗教的・民族的・文化的多様性を持つ国々における少数派の保護である。

サミットでは、5回のセッションを通じて、宗教に基づく紛争とその根本原因、平和的解決を支援する宗教外交の役割、国際社会の失敗としてのガザの悲劇といった重要なテーマを取り上げた。

1962年に設立されたムスリム世界連盟 (MWL) は、サウジアラビアのメッカに本部を置く国際非政府組織である。 MWLは、すべてのイスラム諸国と宗派のメンバーを擁し、イスラム教の真のメッセージを明らかにすることを目指している。

写真:https://www.themwl.org/sites/default/files/styles/main_img760x1100/public/img_1157_0.jpeg?itok=FUdXjnUv


 

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