ニュージーランド・オークランド発, Aug. 05, 2025 (GLOBE NEWSWIRE) -- ナウル共和国は、政府の経済・気候レジリエンス市民権プログラム (Economic and Climate Resilience Citizenship Program) のもと、初の新市民を迎え入れた。このプログラムは、昨年末に開催されたCOP29において発表されたものである。
ナウルは、国連の多次元脆弱性指数 (MVI) において、経済的および環境的ショックに対する脆弱性が高いため、世界で5番目に脆弱な国と評価されている。同国はこのプログラムを、良識ある投資家が第2の市民権を取得すると同時に、気候変動への適応および南太平洋地域における持続可能な開発プロジェクトに貢献できる仕組みとして開始した。
プログラムのCEOであるエドワード・クラーク (Edward Clark) によると、最初に承認された申請者はドイツ人の4人家族であり、最近、長年にわたり所有していた著名で信頼できるドイツ企業を売却し、現在はドバイに居住しているという。
「現在の世界的な政治情勢の不確実性を踏まえ、『プランB』として第2の市民権を検討していた彼らは、拠出金がナウルにおける気候変動対策に活用されるという理由から、経済・気候レジリエンス市民権プログラムを選択しました」とクラークは述べている。
国際銀行業務、金融犯罪対策、コンプライアンスに関する豊富な実務経験を持つクラークによれば、申請受理から市民権の付与までの期間は4か月未満であり、その間には厳格な審査が行われたという。
同氏は以下のように述べている。「これは、本プログラムの根幹を成す柱であり、ナウルの信用と安全保障を保護する措置です」。
「すべての申請者は国際的な法執行機関による照会を受け、詳細な身元調査を経ます。 申請手続き全体は、国際的なベストプラクティスに準拠して運用されています」。
同氏は、ナウルの将来の構築に貢献できる、極めて優れた資質を持つ人物のみが市民権を付与されると述べている。
「この家族へのナウル市民権の付与は、当プログラムにとって大きな節目となり、現在ナウル市民権取得を検討している他の申請希望者にも一層の信頼を与えるものです」。
ナウルは現在、経済的課題および気候変動に直面する国を改革する長期的なプロジェクトに着手しており、これには、食糧や水の安全保障などの問題への対処に加え、国民の大多数を海岸部から内陸の高地へ移住させる「ハイヤー・グラウンド構想 (Higher Ground Initiative)」も含まれている。
今回市民権を取得したドイツ人一家は、国際的な移民コンサルティング会社であるヘンリー&パートナーズ (Henley & Partners) を通じて申請した。同社は声明の中で、次のように述べている。「ナウル共和国の経済・気候レジリエンス市民権プログラムにおいて、最初の市民権付与者を代表できたことを、当社は非常に誇りに思います。
「当社にとってこれは、単なる移動の自由の問題ではありません。実際の気候リスクに直面している小島嶼開発途上国 (SIDS) へ資本を供給することに本質的な意義があるのです。
「これは、適切に設計・運営された投資移住制度が、経済的および気候的なレジリエンス施策への資本流入を促し、より持続可能な未来を築く手段となり得ることを示す明確な実例です」と、声明を締めくくっている。